『ベター・コール・ソウル』は見ごたえのあるドラマ!!
うわ~ん!
また観終わってしまった~(涙)
毎晩楽しませてもらいました。
「ベター・コール・ソウル」
このドラマは「ブレイキング・バッド」のスピンオフ作品で、こと「ブレイキング・バッド」に至るまでの物語です。
つまり、「ブレイキング・バッド」の登場人物の過去が描かれていて、とくに弁護士のソウル・グッドマンの物語といっていいと思います。(ドラマ名からしてそうですね)
なんていうか、「ブレイキング・バッド」のような派手さというか、ヒョエ~というドラマチックな展開はやや少ないものの、これはこれで、相当なもんですよ。
またまた言いますが、大分面白かった!
悔しいけど魅力ある「弁護士ジミー」は悲しく、そしてあっぱれな男
「ブレイキング・バッド」では”ソウル・グッドマン”という名前で弁護士活動をしている人物、ジェームス・マッギル(ジミー)が、羽陽曲折を経て、この物語の最後にいよいよその”ソウル・グッドマン”になるのですが、まあ、なんとも味わい深い人物ですね、彼は。
善と悪が混在!?
いや、そんな言葉じゃ浅いなあ。
自分を有利に持っていくための知恵がハンパないというか、彼はそれなりの人間性というかやさしさを備えているのに、自分の人生を自分なりに歩もうとしたときに思いつくのが、とにかく「悪事」なのです。
やさしさのない人が悪人で、やさしい人物が善人。
そんな、わたしたちがそこはかとなく持っている常識を覆す物語、といっては言い過ぎでしょうか??
でも、この感じ、少しわかるのですよ、私。
おそらく、ジミーほどのエネルギーとか、前進する意欲がない人でも、こんな人いません?
優しいんですよ、誰かを思う気持ちがある。
でも、どうしても「やめられない」悪癖をもっている。
よくあるところでいうと、ギャンブルです。
その人物は、「もう二度としない」という。
でも、やる。やっぱり、やる。
反省しないわけではない。むしろ彼の人間性は、「もう二度とやるもんか!」と自分自身に誓わせている。
でも、やる。
そういう感覚に近いといえばいいでしょうか。
ただ、このジミーが、そこら辺のギャンブル依存症の人間と違うのが、あまりの口達者、というところなのです。
とにかく彼にしかない魅力っていうんですか。
彼独特のユーモアや、ときに涙を誘う語り口は人の心をガンガン揺さぶってしまう。その頭の回転の良さが、悪知恵を生むんですよね~。
こういう男にやられてしまう女性が、世の中には一定量いるっていうことが、私にはわかります。
実際にドラマの中でもちゃんと恋人がいますしね。
キム・ウェクスラーです。
彼女は優秀な弁護士で、理性もある。
でも、ジミーの悪事にまあまあ積極的に乗っかっちゃってるんですよ。
そして彼を愛し、彼を支え、共に生きようとする。
なにこれ!?
なんで貴女のような人が・・・。
と思う反面、なんかわかる・・・となってしまうんです。
私だって、ウェクスラーなら、そうなる。
そうなっちゃうかも、というよりむしろ、そうなるでしょう!という確信に近いです。
女は正しい男なんか、本当は好きじゃない。
ワルくていい。魅力があれば、いいんです。
そしてジミーの魅力は、その心に押し殺した悲しみからも、発現しているのです。
悲しくてワルい。
これ以上のものがありますか??
兄弟って・・・。いろいろ考えさせられます
とまあ、話、だんだん反れてますが、このドラマはとにかく皆さんに見てほしいです!
最初は地味に感じるかもしれませんが、ジミーと(ダジャレじゃないでーす)そのお兄さんの関係にも注目です。真面目で優秀な兄と、生まれついてずる賢い弟。
彼らの葛藤、兄弟愛、そして決裂・・・。
とにかく観ていて感情移入がすごいです。
ジミーは多分、お兄さんの世界に近づきたかった。そしてお兄さんを愛していた。
それでも、それは結果的に受け入れられず、最終的に、お兄さんと死別したのです。
その無念、悔しさが、彼をジェームス・マッギルからソウル・グッドマンに変えていったのではと思います。
「ブレイキング・バッド」につながってる~という展開が楽しい!
そして、「ベター・コール・ソウル」でのキーマン、マイクの物語も、このドラマでは平行して流れていきます。
とにかく渋いマイク。
年をとっているのに。とくに過去はイケメンであったかも、ということもないのに、なんなんですか、このカッコよさは!
多くを語らない彼の一言ひとことには、圧倒的な説得力と、他者にうむを言わせぬ威圧感があるのです。だからこちらは「なんも言えねえ」・・・となってしまう。男って、コレじゃないですか?これが本物の男じゃないですか?そうに違いない!という感じですね。
そしてそして、”ガス”こと、グスタボ・フリング。
あの目・・・。
完全にスワっちゃってます。
怖いです。冷静沈着。そしてその内には激しい憎しみと、そこから派生した信念がもうびっしりとこびりついている。テコでも動かせない、彼の心。
で、マイクやガスの話が、きっちり「ブレイキング・バッド」につながっているのです。
観ていてその実感ができるのが、なんだか心楽しかった!
ドラマってこんなに面白いんですね~♪
とまあ、ダラダラ書きましたが、ほんと、面白かったです。
そして私はなぜだかこの物語はNetflixを開けば延々観ることが出来るというような感覚に陥っていて、私の日常の中に彼らの物語がすっかり溶け込んでいたので、終わったときは、「え!?」という感じでした。
シーズン4までということは知っていましたが、シーズン4の第何話まで、という確認を怠ってたのでなおさらです。
それにしても、「ブレイキング・バッド」も「ベター・コール・ソウル」も、ドラマの作り方が本当に上手です。
ドラマ、という感じがなく、彼らの日常が、何者かによってこっそり切り取られているみたいです。だからこそ、観ているこちらの充実感もすごいんですよね。
喪失感と戦いつつ、次なるドラマを探していきたいと思います!